SSTR_2025

バイク

今回SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)に初めて参加しました。
このイベントは、太平洋岸から日の出と共にスタートし、日本海の千里浜なぎさドライブウェイに
日没までにゴールするという、全国のライダーが自らのルートで旅をするラリーイベントです。
決められたポイントを通過していくことで条件を満たし、完走を目指します。
今回は第13回目の開催で、例年通り多くのライダーが日本中から参加していました。

私はバイク歴2年目。普段は近郊を走ることが多いですが、YouTubeやSNSでSSTRのことを知り、
いつかは参加してみたいと思っていました。
走行距離や時間、当日の天候、そして完走条件など、不安な点は多くありましたが、
「やってみたい」という気持ちが勝り、参加を決意。
完走には15ポイント以上の獲得が必要ですが、特別ルールとして「指定道の駅5カ所立ち寄り」も設定されており、こちらにも挑戦しました。
最終的には13時間17分、走行距離524km、ポイントは19ポイントで、無事に完走。
とても濃い一日となりました。

以下、当日の様子を時系列で振り返っていきます。


出発地点は神奈川県の大磯港。出発時刻は早朝4時31分。
辺りはまだ薄暗く、今日は波の音も静かです。
同じくSSTR参加者と思われるバイクが1台停まっており、言葉は交わさなくとも、
そこに流れる緊張感と高揚感は共有されていたように感じました。
ナビを確認し、深呼吸をひとつして、静かにエンジンをかけ、旅が始まりました。


大磯港を出発して最初に目指したのは、「足柄・金太郎のふるさと」。
朝の冷たい空気の中を順調に走り、予定よりわずかに早く到着しました。
まだ早朝でしたが、駐車場にはSSTRステッカーを貼ったバイクが数十台。
思った以上に参加者はいるようです。
スマホで地点登録を行い、3ポイントを獲得し、近くのGSで最初の給油(3.77L)を済ませました。


国道246から御殿場、東富士五湖道路へと進み、標高が上がるにつれて冷え込みが
厳しくなってきました。
メッシュジャケットの下に着ていた薄手の防風ジャケットがこの時ばかりは大活躍。
途中の景色も美しく、富士山のシルエットがかすかに見えたのが印象的でした。
「つる」ではSSTR参加者向けにメロンパンが配られており、ありがたくいただきました。
朝食代わりとなり、気持ちにも少し余裕が生まれました。
ここでは足柄で挨拶した参加者と少し会話しました。
何度目かの参加で今日は早めのゴールを目指すとのことで、ここからは別ルートなるようです。
ちょっとしたふれあいもSSTRの醍醐味ですね。 写真撮影用にメロンパンを持ってもらいました😆


「つる」を出発し、大月インターから中央道に入り安曇野を目指します。
高速道路は車の流れもスムーズで、時間の節約にもなりました。
八ヶ岳PAで休憩を取り、岡谷JCTでは工事による10分ほどの渋滞に巻き込まれましたが、
それほどのロスにはなりませんでした。

がこの後ちょっとしたトラブルです。
安曇野まで行くつもりだったのですが、ガソリンがピンチです。
1つ手前の梓川スマートICで降りてGSに寄ろうと思います。
反対側の車線に数件GSがありましたので、次にこちら側の車線にGSがあったら入ろうと
したのですが、GSがありそうもない景色になってきました。(マーフィーの法則?)
警告ランプがついて30kmを超えてきたので、あわててGoogleで近くのGSを検索しました。
経路沿いのGSまでは辿り着けそうもなく、ちょっと脇道にあるGSが若干近かったので
そちらを目指します。ところが、後信号2つというところでガス欠です。
営業しているか不安に思いながら200mぐらい200kg近いバイクを押していきます。
無事営業していましたので、ここで2回目の給油(6.9L)ができました。


給油後、再度走行を再開。10:39に「ほりがねの里」に到着しました。
安曇野の自然に囲まれた静かな道の駅でしたが、スケジュールがやや押していたこともあり、
滞在は短め。地点登録のみを行い、休憩を取らずに出発しました。


国道158号から安房トンネルを抜け、さらに国道471号へ。
平日の昼間ということもあり交通量は少なく、山道のワインディングを気持ちよく走行できました。
途中でSSTRステッカーをつけたバイクと多数すれ違い、
「ヤエー(ライダー同士の挨拶)」を交わす機会が増えていきました。
これからどうやって千里浜を目指すのかと不思議に思っていたのですが、
後から昨日ゴールして帰路に着いたライダー達だと納得しました。

距離的にはそれほどでもなかったのですが、山道ということもあり2時間半ほどで
「スカイドーム神岡」に到着。
日本海にでてからお昼にしようと思っていたのですが、
だいぶ空腹を感じてきたので、売店でミニうどんと山菜の天ぷらをいただきました。
温かい汁物が身体に染みわたり、少し休憩を取ってから出発しました。


山間部から神通川沿いの平地へ出て、富山方面へ。
川沿いの景色は透明感があり、水の流れと風の音が心地よく、精神的にもリラックスできました。
北陸自動車道を利用し、滑川ICで降りて「ウェーブパーク滑川」には14:50に到着。
海沿いの施設で、風がやや強かったですが、晴れていたので気持ちよく過ごせました。
あまりSSTRライダーを見かけなくなってちょっと不安になりながらも地点登録を終え、
これで指定道の駅の5ヶ所目をクリアです。時間的には問題なさそうです。


あとは指定能登半島地震被災地応援ポイント「道の駅 氷見」に立ち寄ってゴールを目指します。富山滑川から氷見までは富山の市街地を抜けて約1時間半の道のりです。
途中、最後の給油(5.52L)を済ませ、16:34に道の駅「氷見」に到着です。
富山湾の向こうに見える立山連峰の姿が目に飛び込んできました。
空気が澄んでおり、山々が空中に浮かんでいるような景色は、言葉にできない美しさでした。
今度はもっとゆっくり観光したいと思いました。
これで条件は全てクリアしましたので、ゴールの千里浜を目指します。


最後の区間は能登里山海道を使って千里浜へ。
終盤ということもあり、疲労感はありましたが、それよりも「もうすぐゴールだ」という思いが勝り、
集中力を切らさずに走行。17:48、ついに千里浜なぎさドライブウェイへ到着。
夕日が静かに沈む中、砂浜にタイヤの跡を残しながらのゴールでした。
達成感というより、無事にここまで来られた安堵感が強く、しばらくバイクを降りて
海を眺めていました。
ここで参加賞や貝汁、レストハウスでのコーヒーチケットをいただき
疲れた体を癒すことができました。


ゴール後は羽咋市内の「ぼうぼう」というお店で海鮮丼をいただきました。
刺身の種類が豊富で、地元で獲れた魚介の鮮度を感じられる贅沢な一品。
あら汁も具沢山で、心も身体も温まりました。
SSTR参加者とカウンターで隣の席になり経路報告で盛り上がりました。
近くに宿を取ったとのことで地酒をうまそうに飲んでいました。(うらやましい!)

その後、志賀町にある宿泊先「ペンション夕凪」まで、夜道を約30km移動します。
地元の方は割と飛ばしてくるのでちょっとヒヤヒヤしながらの30分でしたが、無事到着。
静かな宿で一日の疲れを癒しました。


SSTR 2025は、初参加という立場でありながらも、多くの発見と経験が得られた一日でした。
長距離を自分の判断で進みながら、天候や体調、予期せぬトラブルと向き合い、
自力でゴールに辿り着く。そのプロセスが何よりも価値のあるものだと感じました。
次回はもう少し余裕を持ったスケジュールで、景色や地域の魅力にもじっくりと触れながら、
より深い旅にしたいと考えています。