お盆休み真っ只中、今回もいつものようにイオンシネマへ足を運びました。
お盆期間ということもあり、館内はかなりの人出。
人気作の『鬼滅の刃』や『ジュラシックパーク』、そして以前観た『国宝』なども
まだまだ注目度が高く、チケット売り場は大混雑。
普段は平日の空いた時間に行くことが多いので、館内の人の多さに少し驚きました。
特に『国宝』は上映回数が減っているにも関わらず完売しており、
「もう一回観てもいいな」と思っていた私の計画はあえなく撃沈(笑)。
そんな中、「雪風はそれほど混んでいないだろう」と高を括っていたのですが、
意外にも席は9割方埋まっていました。
今日は終戦記念日で戦争をテーマにした作品ということもあり、
静かながらも特別な空気が漂っていました。
客席には私と同世代ぐらいの人が多かったように思います。
物語と印象
今回の『雪風』は、数多くの作戦に参加し、終戦まで唯一生き残った幸運艦として知られる
駆逐艦を通して、当時を生き抜いた人々の物語です。
本作としては、その雪風の艦長である竹野内豊さんと専任伍長の玉木宏さんが演じる
二人の将校を中心に描かれていました。
彼らはまさに“中間管理職”的な立ち位置で、太平洋戦争の中で翻弄される姿が印象的でした。
最前線の現場指揮官としては、すでに「勝ち目はない」という現実を理解している。
しかし、上層部からの命令には逆らえず、部下の命を背負いながらも
作戦を遂行しなければならない。その板挟みの葛藤が、実にリアルに表現されていました。
私は長年サラリーマン生活をしてきた中で、中間管理職の立場も経験しましたが、
この状況は決して戦争だけの話ではありません。
現場の声と経営陣の指示の間でどう折り合いをつけるか、
理不尽さを抱えながらも前に進まざるを得ない姿は、
どの時代・どの職場にも通じる苦悩だと感じました。
戦争と現代の共通点
映画を観ながら改めて思ったのは、「戦争に限らず、一度始めてしまったことを
終わらせるのは本当に難しい」ということです。
政治の世界でも似た例があります。例えばガソリンの暫定税率。
もともとは数年だけの予定だったものが、結局何十年も続いています。
誰もが「もうやめてもいいのでは」と思っていても、仕組みや利権、
政治的な事情が絡み、なかなか終わらせられない。
戦争も税制も、結局そのしわ寄せを受けるのは庶民です。
だからこそ、私たち国民は日本のトップを選ぶ際、
もっと慎重にならなければならないと感じました。
戦争映画は過去の話を描いているようでいて、現代にも直結するテーマを投げかけてきます。
『雪風』もまた、そのことを静かに、しかし強く訴えかけてくる作品でした。
おわりに
エンタメ作品としても見応えがありますが、歴史の教訓や社会の現実を重ね合わせながら
観ることで、より深いメッセージを受け取れる映画だと思います。
終戦記念日に観たことで、その重みがさらに増しました。
もし上映している映画館が近くにあるなら、一度観てみることをおすすめします。
単なる戦争映画ではなく、今を生きる私たちにも大切なことを教えてくれる一本です。