映画 ボンヘッファー

映画

今日は『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』を観に行ってきました。
前回観た映画『爆弾』の帰りにパンフレットを何気なく手に取り、
「あ、これ観たいかも」と直感的に惹かれた作品です。
そこまで大々的に宣伝されているわけでもなく、どうやら比較的マイナーな作品らしく、
上映している映画館も限られていました。
そのため、どこで観るかを数日ほど悩みながらも、行けそうな劇場を探していたんです。

ちょうど都内に行く用事があったので、この機会にと新宿の老舗ミニシアター『武蔵野館』で
鑑賞することにしました。
実は初めて訪れる映画館。
大手資本のシネコンとは異なり、独自のカラーを持つ独立系映画館で、
昔から愛されてきた雰囲気のある場所です。
こういう映画館に来ると、「映画を観に来た」という感じが一段と高まるんですよね。

ただ、ひとつ気になったのは客席の段差。
シネコンほど大きくはなく、前の席との高低差が小さいので、
「前の人の頭がスクリーンにかかったらどうしよう…」と始まる前は少し心配していました。
でも、映画が始まってしまえばそんな不安はどこかへ消えて、
ふかふかのシートに体をゆだねながら作品の世界に没入することができました。
こういう環境の心地よさも、ミニシアターならではなのかもしれません。

今回もいつものように、パンフレット以外の予備知識はほぼゼロで鑑賞。
最近、この“あえて情報を入れない観方”が結構好きになってきています。
物語の冒頭部分を自然と集中して追うようになるので、ストーリーへの入り込み方が深く、
結果的に飽きずに最後まで観られる…そんな効果があるように感じています。

上映時間は132分。2時間を少し超える長めの作品でしたが、
気づけば時間を忘れて見入っていました。
ただ、洋画を観る時に毎度感じる悩みがひとつ。
登場人物の見分け! 私にとってはこれがなかなかの難題で、
今回も「あれ、この人はさっきの…?」と何度か脳内整理しながら観ていました(笑)

さて、映画の内容ですが、副題にもある通り「ヒトラー暗殺を企てた牧師」
ディートリヒ・ボンヘッファーを描いた作品です。
ただ単に暗殺計画に焦点があたっているわけではなく、私が観て感じたのはむしろ、
ナチス統治下のドイツにおける教会とボンヘッファー自身の“戦い”でした。

実在の人物を題材にしたフィクションなので、完全なノンフィクションではありませんが、
それでも当時の世界情勢や社会の空気はしっかりと表現されていたように思います。
ヒトラーの独裁体制が進む中で変わりゆく民衆、そして圧力に屈していく教会。
その一方で、流されることなく信念を貫こうとする人々。
どこか現代の世界にも重なるものがあり、「今も同じことが繰り返されているのかもしれない」
と考えながら観ていました。

そして迎えるラスト。
衝撃的というより、運命の残酷さが胸に迫り、気づけば涙が溢れていました。
重い内容ではありますが、「観に行って本当によかった」と心から思える作品でした。


映画を観たあとは、やはりお昼ご飯が楽しみですよね。
せっかく久しぶりに都心まで来たので、「ホテルランチでも贅沢しようかな…?」
なんて一瞬だけ考えたのですが、結局向かったのは 新宿区役所の食堂
実は以前ネットで見かけてからずっと気になっていた人気スポットなんです。

今回いただいたのは、話題の ゴジラカレー(650円)
見た目は赤みが強くて「お、これは辛そうだぞ…」と思ったのですが、
食べてみると意外にも程よい辛さで、辛物好きではない私でも十分美味しく食べられました。
しかも650円でこの満足感。区役所の食堂、侮れません。

映画の余韻に浸りながら、気になっていた食堂にも行けて、とても充実した一日になりました。
また時間を見つけてミニシアター巡りもしてみたいですね。