これまでの記事で、
- 退職後に直面する社会保険料の重さ
- マイクロ法人という選択肢
- その基本的な仕組み
について整理してきました。
今回はいよいよ、
「実際にどのくらい金額が変わるのか?」
を、細かい制度説明は抜きにして、ざっくり試算してみます。
※あくまで私の場合の一例で、正確な金額ではありません。
比較する前提条件
まずは前提をシンプルにします。
- 退職後、すぐにフルタイムで働く予定はなし
- 生活費の多くは、個人年金や資産の取り崩しで対応
- 「社会保険にどう入るか」だけを比較
この条件で、
① 何もしない場合
② マイクロ法人を使った場合
を比べてみます。
① 何もしない場合(国民年金+国保)
退職後に多くの人が選ぶ、一般的なパターンです。
- 国民年金:
約25万円 × 2人(本人+配偶者)= 約50万円/年 - 国民健康保険:
家族4人で 約100万円/年
ただし、収入が減る2年目以降の健康保険料は10万円程度になります。
▶ 合計:約150万円/年
収入がほとんどなくても、
これくらいは毎年かかる計算になります。
② マイクロ法人を使った場合
次に、マイクロ法人を作り、
そこから最低限の役員報酬を受け取るケースです。
- 役員報酬はかなり低めに設定
- 生活費は別の資金から補う
- 社会保険料(健康保険+厚生年金):
約35万円/年(会社負担+個人負担合計)
▶ 合計:約35万円/年
差額はどのくらい?
ここまでを比べると、
- 国民年金+国保: 約60万円(初年度は約150万円)
- マイクロ法人: 約35万円
▶ 差額:約25万円/年 (初年度は約115万円)
かなり大きな差になります。
もちろん、
法人設立費用や手間はかかりますが、
それを差し引いても検討する価値は十分あると感じました。
「得する」より「守る」ための選択
ここで大切なのは、
お金を増やす話ではないという点です。
- 投資でリターンを狙う
- 節税テクニックを駆使する
そういう話ではなく、
毎年、何もしなくても出ていくお金を減らす
という、非常に守りの発想です。
退職直後こそ効いてくる
特に効いてくるのは、
- 退職から年金受給までの数年間
- 収入が少ない or ほぼない期間
この時期に
社会保険料が毎年数10万円違う
というのは、心理的にもかなり大きいです。
ざっくり考える時のポイント
初心者の方が考える時は、
次の3点だけ押さえれば十分だと思います。
- 国民年金+国保は思ったより高い
- 法人にすると「給料ベース」で保険料が決まる
- 生活費は別の資金で補う前提にする
細かい制度は、後からいくらでも調べられます。
次回予告
次回は、
👉 マイクロ法人を作るときにやったこと(超ざっくり手順編)
- 何から始めたか
- どこで迷ったか
- やってみて感じたこと
を、これまた初心者目線でまとめてみようと思います。
「興味はあるけど、何から手をつければいいか分からない」
そんな方の参考になれば嬉しいです。

