坂東三十三観音めぐり16日目 24番,20番,23番,26番,25番

御朱印

坂東三十三観音めぐりの旅も、ついに最終日を迎えました。
昨日は日本応援ツーリングのスポット巡りも兼ねていたので、
海の街・大洗を拠点にできたのは大正解でした。
潮風を感じながら眠りにつき、今日は朝から気持ちよくスタートです。
今日は、楽法寺(24番)、西明寺(20番)、正福寺(23番)、清瀧寺(26番)、大御堂(25番)の
5か所をお参りしようと思います。

最終日の今日は、筑波山の登山も予定しているため、スケジュールはかなり詰め込み気味。
1日で5つの札所を回り、山頂の景色を拝むというなかなかのチャレンジプランです。
計画通り進めるか少し不安もありますが、それ以上に、結願を迎える高揚感の方が強く、
ワクワク感を胸に出発しました。


早朝の大洗は観光客の姿も少なく、港町らしい落ち着いた雰囲気。
海沿いの道路を軽く流して、朝の海風を感じながらスタートできたのは贅沢な気分です。
港には釣り人や朝の散歩を楽しむ人々がちらほら。
夏の喧騒が少し落ち着いたこの時期の大洗は、穏やかでいいですね。


最初の目的地は楽法寺。距離的には正福寺から回るほうが近いのですが、正福寺の御朱印受付が朝9時からということで、遠回りながら最初に楽法寺を訪れることにしました。

大洗ICから高速道路に入り、水戸を抜けて北関東自動車道を順調に走行。
車の少ない朝の高速は快適そのもので、時折見える山並みを眺めながら進みます。
筑波山の姿を探してみたものの、周りが山だらけでどれが筑波山なのか
見分けがつきませんでした。

高速を降り、緑豊かな山道を少し登ると楽法寺に到着。
駐車場には檻の中に数匹のヤギがのんびり草を食んでおり、
ちょっとした動物園のような雰囲気にびっくり。
境内にも自由に歩き回るヤギや、列をなして池に飛び込むアヒルたちの姿。
孔雀も放し飼いと書いてありましたが、見つけられず残念。
それでも動物たちのおかげで心が和むひと時です。

朱塗りの山門をくぐり、石段を登ると、カラフルな龍の彫刻で彩られた本堂が現れました。
荘厳さと鮮やかさを併せ持つ建築で、しばらく見上げてしまうほど。
ここで御朱印をいただき、いよいよ本格的に最終日の巡礼スタートです。


次は増子町の西明寺へ。駐車場から少し急な石段を登ると、茅葺き屋根の
立派な楼門が迎えてくれます。
年月を経て黒光りする柱や梁が、歴史の重みを物語っています。
本堂も堂々とした佇まいで、しばし足を止めて眺めてしまいました。

境内には見事な三重塔があり、さらに閻魔堂の中を覗くと、
大きな口を開けた5体の閻魔様がずらり。
どの閻魔様も少しユーモラスな表情をしており、思わず笑顔になりました。
「旅の安全を見守ってください」と手を合わせます。


西明寺を出て笠間方面へ戻りながら、途中で城内坂通りを通過。
この通りは益子焼のギャラリーやおしゃれなカフェが並ぶ人気エリアで、
観光客で賑わっていました。
今回は時間がなく立ち寄れませんでしたが、次はゆっくり散策したいものです。

正福寺の近くには笠間稲荷神社という有名な神社もありますが、こちらも泣く泣くスルー。
正福寺の本堂は素朴で新しさもあり、派手さはないものの温かみを感じます。
本堂にはアマビエの垂れ幕が下がり、ちょっとした癒しに。


ここで予定外の寄り道。日本応援ツーリングのチェックポイントにもなっている
石切山脈に立ち寄りました。
本来は「スタンプだけ押してすぐ出発」のつもりでしたが、受付の方に声をかけられ、
「せっかくなら中も見て行っては?」と勧められたので素直に従うことに。

日本最大級の稲田石採掘場は圧巻の景観。
垂直に切り出された石壁と、透明感のある大きな池が、まるで人工美術のよう。
展示場や小さなカフェも併設されており、彫刻作品が並ぶスペースは落ち着いた雰囲気。
観光客がカフェでスイーツを楽しむ姿を見て、「モンブラン食べたいなぁ…」
と思いつつも時間が押しているため我慢。次回は必ずゆっくり来ようと心に誓いました。


筑波山を目指す前に清瀧寺へ。お昼休みに入る前に到着できるか心配でしたが、
なんとかギリギリセーフ。

山門は少し年季が入った仁王門で、どこか味のある雰囲気。
階段を登ると、白壁に赤い模様が映える小ぶりな本堂が現れます。
静けさに包まれた境内で鐘をつかせていただくと、澄んだ音色が山間に響き渡り、
心の奥まで染み入るようでした。
この旅で初めて自分の手で鐘を撞けたことも嬉しく、巡礼の終わりが近いことを実感しました。


いよいよ最後の札所・筑波山の大御堂へ。
表筑波スカイラインを通る予定が、まさかのバイク通行止め。
調べておけばよかったと反省しつつ国道125号経由で迂回します。

観光客で賑わう筑波山の麓に到着。
お土産屋さんの方が手招きして駐輪場所を案内してくれ、無事駐車。
階段を登ると、青空を背景に堂々とした本堂が現れ、感動の瞬間が訪れます。

御朱印所で「今日で結願です」と伝えると、御朱印と一緒に結願の印を押していただきました。
昨年秋からスタートし、約1年をかけて巡った33か所の札所。
達成感とともに、心の中に感謝の気持ちがあふれます。

隣接する筑波山神社にも参拝。
立派な山門、大きな鈴、そして「靴洗い禁止」と貼られた手水舎の張り紙に
ちょっと笑いながら、旅の安全を祈りました。


筑波山ケーブルカー駅までは階段を登って5分ほどの距離ですが、
これが意外ときつく、息も切れ切れ。
お茶を買って一息ついてからケーブルカーへ。
登りの車両はガラガラでしたが、降りてくる方は満員で、時間帯によって
混雑具合が大きく違うようです。

山頂駅で昼食に選んだのは「冷やし筑波うどん」。
冷たいうどんを温かいつけ汁で食べるユニークなスタイルで、汗をかいた体にぴったり。
腹ごしらえを済ませ、展望台から関東平野を眺めると、霞ヶ浦がはっきり見えました。

せっかくここまで来たのだからと、男体山山頂を目指して登山開始。
最後の岩場は本当にきつく、途中で心が折れそうになりましたが、
登り切った先で吹き抜ける涼風がすべてを報いてくれました。
関東平野が一望でき、遠くの高層ビル群らしき影を探しながらしばしの休憩。
達成感と同時に、「よくここまで来たなあ」と自分を褒めたくなります。


筑波山を降り、常総ICを目指しますが、途中でガソリンスタンドが見つからず
10km以上さまよう羽目に。無事に給油を済ませ、圏央道で八王子方面へ。
休日夕方の渋滞を心配しましたが、意外にもスムーズで、19時には帰宅できました。

この日の走行距離は289km。ツーリングの距離としてもなかなかの長旅で、夕方にはもう真っ暗。秋の訪れを感じると同時に、無事に旅を終えられたことへの感謝で胸がいっぱいになりました。


坂東三十三観音めぐりはこれで無事結願。
事故も怪我もなく、1年を通じて素晴らしい旅となりました。

来月には、最初に訪れた那古寺へお礼参りに行き、結願証をいただく予定です。
そして「結願御礼」として、長野の善光寺や北向観音にも足を運んでみたいと考えています。
巡礼の旅は終わりではなく、新しい旅の始まりかもしれません。